1.1 質の高い睡眠の定義:科学的コンセンサス
「質の高い睡眠」とは、主観的な満足感だけでなく、客観的な指標によっても定義される。厚生労働省の示す評価指標によれば、以下の要素から構成される。
- 規則正しいリズム:安定した睡眠・覚醒サイクルが保たれ、昼夜のメリハリが明確であること。
- 十分な持続時間と日中の覚醒度:必要な睡眠時間が確保され、日中に過度な眠気や居眠りがないこと。
- 高い継続性:睡眠の途中で目が覚めること(中途覚醒)が少なく、安定した睡眠が維持されること。
- 主観的な休養感:朝、すっきりと気持ちよく目覚め、睡眠によって休養がとれたという感覚があること。
これらに加え、入眠潜時(寝つきの速さ)、中途覚醒の有無、覚醒の質(スヌーズ不要か)なども重要な生理学的マーカーとなる。